
日本を代表する自動車メーカーであるスズキ。クルマに詳しくない方でも、CMなどでご存知かと思います。スズキ車は、東南アジアを始めとする世界中の国々で愛され、トヨタ・日産・ホンダに続き、日本のメーカーでは世界で4番目の売上高を記録しています。
そんな日本人には身近なスズキ車ですが、遠いヨーロッパの国であるハンガリーで絶大なる人気を誇っているって知っていましたか?
今回は、そんなハンガリーにおけるスズキ車人気の理由について解説したいと思います。
日本からおよそ9,000km!中央ヨーロッパの国ハンガリー

ハンガリーは中央ヨーロッパに位置する共和制の国です。日本からの距離はおよそ9,000kmで、首都はブダペスト。オーストリア、スロベニア、スロバキア、ウクライナ、ルーマニア、セルビア、クロアチアなどの国々に囲まれた内陸国です。
他のヨーロッパの国々と比べ、比較的物価が安いことで知られ、アジアから渡来したフン族を祖先に持つ国であることからアジアとヨーロッパが融合した、ヨーロッパの中でも異色を放つ国です。
そんな日本から遠く離れた国であるハンガリー。国民たちの間では「スズキ車こそハンガリー人のためのクルマだ!」と、絶大なる人気を有しています。
9,000kmも離れたヨーロッパの国で、どうしてそのような現象が起こっているのでしょうか?
スズキ車人気は冷戦時代にまで遡る
ハンガリーを始めとする東ヨーロッパの国々は、冷戦時代にソ連の支配下にありました。当時の人々が乗っていたクルマはほとんどがソ連製。形や色は選べず、配給制のクルマが国民に与えられていました。そのため、クルマを入手するまでに何年も待たされる人は珍しくなく、性能も決して高くはありませんでした。
また、ソ連の支配下にあったことで経済力が付くのを抑制された東ヨーロッパの国々では、フォークリフトやダンプカーの製造しか許されていませんでした。
約40年間続いた冷戦時代が終わりを告げると、他国の文化や技術が瞬く間に入ってくるようになりました。そんな時、最初にハンガリーに進出してきた自動車メーカーこそがスズキでした。当時の欧州車が200万円代で販売されていた時代に、100万円代で購入できる頑丈な車として一気にスズキ車は人気を集め、ハンガリーの国民車として今もなお親しまれているのです。
また、1992年には生産拠点として現地に工場を設立。従業員の99%がハンガリー人で
「スズキはもうハンガリー人の会社だ」と現地の雇用にまで大きく貢献しています。
冷戦が終わった瞬間、いち早く進出したことでハンガリー人から大きな信頼を得たのがスズキというわけです。
スズキはインドやパキスタンでも大人気
今や「ハンガリーの会社」とまで言われるスズキ。実は、ハンガリーだけでなくインドやパキスタンでも絶大なる人気を集めています。
もし、そのような国に行くことがあれば、一度街中を走るクルマに注目してみて下さい。きっとスズキ車で溢れかえっているはずです。
遠く離れた国で、日本の自動車メーカーが愛されている。本当に喜ばしいことです。
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