
“エアバッグ”と言えば、クルマが衝突した際に搭乗者を守る役割を果たすアイテムということはご存知の通り。クルマが事故を検知すると、ダッシュボードから乗員を保護するための膨らんだ袋体が現れ、衝突した時の衝撃を緩和する装置として装備されています。
これまでのエアバッグは、「クルマに乗っている人間を守るための装置」であることが通説でしたが、近年『外部エアバッグ』と呼ばれる、歩行者や障害物など、周囲を講じこの危険から守るエアバッグの開発が進んでいます。
そんな外部エアバックについて詳しくお話ししたいと思います。
エアバッグの歴史
エアバッグとは、1953年でアメリカ軍に属していた技術者「John.W.Hetrick」が開発したとされています。
彼は、「魚雷に使用されている空気圧縮技術を用いれば、自動車事故の安全性を高められる!」と思いつき、今のエアバッグの基となる安全クッションを開発しました。
しかし、彼のアイデアは当時の自動車産業において全く興味を示されることはなく、開発からおよそ10年間は日の目を見ることはありませんでした。
その後、彼のアイデアは徐々に注目を集め出し、1974年にアメリカの自動車最大手メーカーであるGM(ゼネラルモーターズ)の主力であるビュイックにオプションとしてエアバッグは搭載され、めでたく市販化されました。
今となっては、当たり前のように装備されているエアバッグでしたが、一昔前にはそれほど注目されることのないシステムでした。
開発が進む「外部エアバッグ」とは?

「エアバッグ=搭乗者を守る装置」というのは、少し時代遅れかもしれません。
現在開発が進んでいるエアバッグは、搭乗者を守るのはもちろん、車両外部から袋体が飛び出し、周囲を歩く人や障害物を守る目的で研究・開発されています。
外部エアバッグは、ドイツの自動車部品メーカーである「ZF フリードリヒスハーフェンAG」という企業がパイオニアとして研究・開発を進めています。
「もし、エアバッグと同じ技術をクルマの外側に置いたら一体どうなるんだろう?」
という疑問の元、10年以上に渡って外部エアバッグの開発に取り組んでいるのです。
外部エアバッグは、クルマの下にあるサイドシルにあるセンサーが危険を検知すると、100分の1秒という目にも留まらぬ速さでエアバッグが展開されるという仕組みです。
エアバッグが展開することで、人や障害物に与えられる衝撃を分散させることができるので、万が一の場合でも、怪我や損傷を最小限で抑える効果が期待されています。
外部エアバッグの誕生で安全な世の中を

交通事故による死者が出た、というニュースは後が立ちません。
ましてや、自転車に乗る人口が増えている時代において、外部エアバッグの市販化は急務であることは間違いないでしょう。
外部エアバッグ、1日も早く広く普及してほしいものです。
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